県教育委員会の高校再編計画案が発表された
発表された県教委の三次計画案(2022年7月末)
① 長野千曲総合技術新校を設立する
更級農業高校に屋代南高校のライフデザイン科と松代高校商業科を統合し、新たに技術学科を加えた長野千曲総合技術高校にする
⓶ 松代高校の普通科は残すが、屋代南高校の普通科は廃校にする
③ 旧第4通学区では坂城高校、長野南高校、篠ノ井高校、松代高校は存続する
屋代南高校だけが廃校になり、千曲市は屋代高校1校になる
※長野県教育委員会 「高校改革 ~夢に挑戦する学び~ 再編・整備計画【三次】」より |
屋代南高校が廃校になる理由
千曲市には規模の大きさを生かした屋代高校が存立しているから
千曲市はどのような存続活動をしたか?
「屋代南高校を発展させる会」※1が中心となって存続活動を行った
※1:屋代南高校を発展させる会(以下、発展させる会と記す)
目的 :屋代南高校を存続させ、発展させることを目的とする
組織の構成 :市長はじめ千曲市を代表するメンバーの集団で千曲市を代表する組織である。
市長、教育長、県会議員、市議会前正副議長、市会議員、同窓会、商工会、商工会議所、区長会、産業界代表、市民団体等
「屋代南高校を発展させる会」は県教育委員会に提出する要望書を採択した(2022年7月28日)
要望書の主旨・・・屋代南高校の存続を要望する内容
- 更級農高と南高は独立してそれぞれの専門学科を持つ技術の学校に改革して生き残る
- 夜間の定時制を含めた多部制単位制課程を併設することを提案する
2022年9月15日 要望書を提出
不可解な要望書提出時の発言
- 南高の閉校を容認する
- その代わり新校の分校として残して欲しい
採択された要望書が提出されたが、キャンパス校(分校)を誘致することを前提に屋代南高の閉校を容認する発言があった。それは発展させる会で採択された総意を逸脱するものだった。そのことで会の開催を求める声があったが、半年以上経過後にようやく会議が開かれ要望を逸脱した発言内容は事後承認された。
県教委が示した計画案は、屋代南高校は閉校、要望したキャンパス校(分校)の誘致も受け入れられなかった。
高校の編成問題は市町村間の争奪戦(総括分より引用)
学校を失うか存続できるかは、言うまでもなく市町村間の最大の問題であり、ある種の争奪戦でもある。坂城町はいち早く町長と教育委員会でDXを立ち上げ国の指定校にして生き延びた。松代高校は小川市長が否定する歴史文化のまちを前面に出して普通科の存続に成功した。更農は県職の有力なOBが結集して、農場を持っていることを切り札にして、時代が求める情報技術学科の新設と南高からライフデザイン科を奪い総合技術高校に変身させようとした。
一方我が千曲市は、安易に県教委に忖度して戦わずして首を差し出してしまった。本来であれば最後まで南高を死守すべき同窓会が母校の閉校を容認してしまったことは残念であった。市や市会議員が市民に知らせて存続活動に取り組むべきではなかったか。市民の応援がなければ同窓会も頑張り切れなかったのではないかと思うところである。
なぜ高校再編が必要なの?
県教委の資料より抜粋
〔目的〕社会の激変、少子化の中で将来的に高校教育の学びの質を保証するために行う。(実施主体は長野県教育委員会)
〔今までの経過〕
- 2017年3月 「基本構想」策定
- 2018年9月 基本構想を具体化した実施方針を策定 方針を示す
旧12通学区ごとに高校の将来像を考える地域の協議会」設置
地区ごとに県議会等の議論、当該地区の住民説明会を経て決定*1
1、2次再編整備計画 済 - 2022年5月 「再編整備計画(3次)」具体的な校名を示して公表
- 3次とは1,2次以外の全ての地区
〔方針と推進項目〕 高校配置計画
- すべての高校が将来必要とされる力を生徒に育む学びに転換する
①探究的な学びの推進
②各校の学びを体系的に示す「3つの方針」策定と運用
生徒育成方針・教育課程編成・生徒募集方針
③入学者選抜制度の改革 - 夢に挑戦できる学びの場、学びの仕組みを整備充実
- 新たな学びにふさわしい環境整備
①学習・生活環境(施設・設備、空調・洋式トイレ)
②ICT③人的配置 - 少子化に対応
①都市部 小規模校分立を回避 教育、投資効果の最大化
新時代にふさわしい新しい学校の再編・整備
②中山間地 魅力的な学びの場の創造、地域と協力、最大限の努力 - 多様な学びの場を全県に配置
①地域全体、県全体の高校の将来像を総合的に検討
②校種ごとの配置
・都市部存立校、中山間地存立校の区分
・普通・定時制・専門・総合学科・多部制・単位制・通信制高校
③モデル校配置
*詳細は県教育委員会発行、高校改革~夢に挑戦する学び~ 再編・整備計画【3次】(案)2022年5月参照のこと